ギターのレビューや機材紹介の動画・記事で、「サチュレーション感が心地よい」といった表現を目にしたことはありませんか?
でも、「サチュレーションって結局なに?」と疑問に思う方も多いはず。
この記事では、フンワリ使われがちな用語をなるべくかみ砕いて「サチュレーション感」について解説します。
サチュレーションの意味は「音の飽和」
「サチュレーション(Saturation)」という言葉は英語で「飽和」という意味です。
ギターアンプやエフェクターの世界では、音の信号が限界に近づいて、自然に歪み始める状態を指します。
イメージで言えば、水をコップいっぱいに注いで、あと少しであふれる寸前の状態。
完全にあふれてしまう(=激しい歪み)ではなく、ちょうど限界手前のギリギリのところで踏ん張っている音のニュアンスが「サチュレーション感」です。
歪みとの違い
「歪み(ディストーション)」と「サチュレーション感」は似ていますが、ニュアンスが違います。
- 歪み
→ 波形が大きく崩れて、明らかにガリガリとした音になる。メタルやハードロックのリフなど。 - サチュレーション感
→ 歪む一歩手前で音がふくらみ、温かみが出る。クリーンでもないけれど、歪んでもいない「甘い音」。
つまり、「完全なクリーン」と「激しい歪み」のちょうど間にある音の表情を指しています。
ギターアンプでのサチュレーション感
特に真空管アンプで顕著に感じられます。ボリュームをある程度上げると、音量が大きくなるだけでなく、音そのものに変化が生まれます。
- 強く弾いても耳に痛くない
- 音が前に出てくる
- 弾いたときに「粘り」がある
例を挙げると、フェンダー系アンプでクリーンを強めに鳴らしたときや、VOX AC30のようなアンプを押し込んだときの「太くて豊かな音」がまさにサチュレーション感です。
エフェクターでのサチュレーション感
エフェクターでも「サチュレーション感がある音」と表現されることがあります。特に以下のようなペダルに多いです。
- オーバードライブペダル
→ 軽めの歪みで、音がふっくらする。Tube Screamer系など。 - テープシミュレーターやプリアンプ
→ 倍音を付加して音を太くする。ヴィンテージのテープ録音のような質感。
「音に厚みが出る」「ミックスに馴染みやすい」「ただのクリーンより存在感が増す」といった効果が特徴です。
サチュレーション感を味わえるおすすめのペダル
そもそも感覚的な言葉なので、言葉で説明するのは難しいです。
やはり体感に勝るものはないと思うのですが、真空管アンプを大きな音で弾くのは現実的に難しい場合も多いと思います。
そこで、手軽にサチュレーション感を味わえるおすすめの定番エフェクターを以下に紹介します。
Ibanez Tube Screamer (TS9 / TS808)
→ サチュレーション感を語る上で欠かせないオーバードライブ。原音に倍音と中域の厚みを加え、自然で粘りのある音に。
Fulltone OCD
→ クリーンブースト的にも使えるオーバードライブ。ピッキングの強弱でサチュレーション感が変化し、ダイナミックな演奏が可能。
Xotic EP Booster
→ エコープレックスのプリアンプを再現したペダル。歪みは少ないが、音に太さと温かみを与える“プリアンプ的サチュレーション”が特徴。
JHS Morning Glory
→ 透明感のあるクリーン〜軽いドライブを付加。強く弾いたときに心地よいサチュレーションが加わるため、常時ONペダルとしても人気。
VEMURAM Jan Ray
→ 現代の“ブティック・オーバードライブ”の代表格。クリーンの輪郭を保ちつつ、倍音とコンプレッションを加えることで極上のサチュレーション感を生み出す。フェンダー系アンプとの相性は抜群で、プロギタリストも愛用。
まとめ
サチュレーション感は、ただ「歪んだ音」ではなく、音に厚みや温かみ、心地よい粘りを与える重要な要素です。
アンプで自然に得るのも良いですが、家庭環境ではペダルで再現するのが現実的。
特にTube ScreamerやVEMURAM Jan Rayのような定番オーバードライブは、ギターの音作りを学ぶ上でも一度試してみる価値があります。





