はじめに
オーバードライブペダルは数え切れないほど世に出ていますが、「一度弾いたら忘れられない」とまで言われる名機はそう多くありません。
その中でも多くのプロギタリストが愛用し、SNSやレビューでも熱狂的に語られるのが 「VEMURAM Jan Ray(ジャンレイ)」 です。
単に歪ませるペダルではなく、プレイヤーのタッチやニュアンスを壊さずにそのまま前に押し出してくれるようなペダルです。
「高すぎる」「過大評価だ」という声も一部にはありますが、それを差し引いてもなお評価され続ける理由が確かにあります。
商品紹介|Fender “Magic 6” を足元に
Jan Rayは、フェンダーアンプのブラックフェイス期「Twin Reverb」を“マジック6”と呼ばれる設定にした時の音を再現する目的で開発されたペダルです。
- 電源:9V(仕様上は9Vのみですが、ユーザーによっては18V駆動での使用例も)
- コントロール:Volume, Gain, Bass, Treble(筐体には表記がなく、慣れるまでは戸惑います)
- サイドトリム:サチュレーション調整が可能で、キャラクターを大きく変えられる
真鍮筐体の重厚感は高級感たっぷりで、ステージに置くだけで存在感を放ちます。
音のキャラクターと主な使い方
Jan Rayは「歪ませる」というより「良い音を押し出す」タイプ。
Gainを絞ればブースターのように原音をプッシュし、少し上げれば粘り気のあるクランチが得られます。
- ストラトキャスターとの相性:特にハーフトーンで使うと空気を切り裂くようなクリアさと奥行きが出ます。
- ジャズコーラス(JC-120)でも真空管らしさ:サチュレーションを強めると、JCでも倍音豊かなチューブ感を演出可能。
- レコーディングに強い:アルペジオや分散コードを弾いたときに音が潰れず、ミックスに自然に馴染みます。
- ライブでの安心感:堅牢な筐体でノイズも少なく、どんなアンプでも「外さない音」を作れる。
「音を劇的に変えるペダル」ではありませんが、「良い音をさらに輝かせるペダル」 です。
良い点
- 解像度の高さ:コードの1音1音がくっきりと立ち上がる。
- タッチレスポンス:ピッキングの強弱に忠実で、表現力をそのまま音にできる。
- ジャンル適性:ポップス、ロック、ブルース、ジャズ、フュージョンに最適。
- サチュレーション調整:サイドのトリムをいじるとキャラクターが激変し、音作りの幅が広い。
- リセールバリュー:高価ですが中古市場でも人気があり、資産価値がある。
悪い点
- 価格の高さ:4万円台という価格は、一般的なペダル2台分に相当。
- 初心者には分かりにくい:劇的な変化を求める人には物足りない。
- デザイン面の不便さ:ノブに表記がなく、ライブ中の操作で迷いやすい。
- クセの薄さ:人によっては「普通すぎる」と感じることも。
他の機種との比較
- Timmy Overdrive
Jan RayはTimmyをベースにしていると言われています。確かに似たキャラクターを持っていますが、真鍮筐体の鳴り方やサチュレーションの効き方は別物。Timmyがシンプルで実直なら、Jan Rayは高級感と表現力を兼ね備えた進化版です。 - Ibanez TS9(チューブスクリーマー)
TS9が中域にピークを持った「キャラクター強めのドライブ」だとすれば、Jan Rayはもっとフラットで自然。TSの色付けが苦手な人には特におすすめです。
買うべき人、買わない方がいい人
買うべき人
- Fenderアンプの音が好きな人
- タッチのニュアンスを最大限に活かしたい中〜上級者
- ライブでもレコーディングでも信頼できる一台を探している人
- 「いい音をさらに良く」したい人
買わない方がいい人
- 激しいディストーションを求めるメタル系プレイヤー
- 音作りに慣れていない初心者
- 価格重視でコスパを求める人
まとめ
VEMURAM Jan Rayの凄さは、「どんなセッティングでもそれなりに良い音になる」という点です。
普通ならノブの位置で失敗した音が出ることもありますが、Jan Rayはどこに合わせても不思議と“音楽的”に聴こえる。
特にストラトのシングルコイルのフロントで弾いた時の艶は、まさに絶品です。
クランチ程度の歪みでロングトーンを弾くと、じわじわとハウリングが立ち上がるようなニュアンス…これこそプロが愛用する理由だと思います。
ギター本来の良さを引き出し、さらに前に押し出してくれるような、Jan Rayはそんなペダルです。


